~記憶を失くした男~

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警官の一人が自分に気が付いた。 「あー旦那さん、良かった。 無事だったんですね。強盗犯逮捕協力、 感謝いたします。あの後、旦那さんの姿が 見えなくなってしまって、 捜索していたんですよ。 いやー良かった。では本官らは、これにて 失礼します」 ビシッと敬礼をしてから、 パトカーに乗り込み、去っていく警官らに 呆気に取られつつも 『あーそうだった、強盗にあいつが 襲われそうになったから、 取り押さえたんだった・・・ その時にどこかに頭を軽くぶつけて・・・ そこで記憶が途切れてるな・・・』 全部、思い出した・・・ 急がなきゃ・・・ 見慣れたマンションの入り口に 滑り込むように入り、エレベーターに乗る いつもの階に降りて、部屋のチャイムを押す 『・・・はい』 やや涙声の彼女の声がインターフォンから 聞こえてくる 「あー・・・ただいま・・・」 そう言うと、すごい勢いでドアが開いた 「うぉっ、あぶねー」 ドアにぶつからない様に身を躱した
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