8 宇宙船・ノアの方舟

1/3
前へ
/3ページ
次へ

8 宇宙船・ノアの方舟

搭乗クルー。 ジュリア・ダラン 作戦司令官 ノーマ・バーグマン電子工学者 オッタビア・コルテス化学者 リサ・タジマ医学者 リデイ・カーン生物学者 スコット・マックニール ロケット工学者 ウイル・マーカス 船長宇宙物理学者 アントノフ・チェビシェンコ 地球物理学者 トニオ・バルギレア 宇宙考古学者 ドルフ・シュタイナー 宇宙物理学者  ユーラシア大陸の東と南、北米コンブロ大陸の西で、それは同時に起った。  まあ、当然のことではあるが・・・。 「見ろ!」  アントノフ・チェビシェンコ 地球物理学者が、舷窓を示した。黄色っぽい茶色の口髭がわなわなとふるえている。  ユーラシア大陸の東と南から多数のミサイルが、地球の雲の合間から航跡雲を引いて上昇飛行し、大気圏外を越えてふたたび地球へ下降飛行している。  ユーラシア大陸の東から発車されたミサイルは四方八方へ飛翔し、ユーラシア大陸の西と北米大陸から報復と迎撃のミサイルが発射された。  一方。ユーラシア大陸の南から発車されたミサイルは隣国の都市へむかって飛翔した。標的になった国から多数の報復ミサイルと迎撃ミサイルが発射された。  多数のミサイルが、地球の雲の合間から航跡雲を引いて上昇飛行し、大気圏外を越えてふたたび地球へ下降飛行している。  ミサイルが飛翔する光景は太陽フレアが現れて消えるごとく三十分ほどつづいた。 「くそっ、バカがついに核ミサイルを発射しやがった。各国のバカどもが報復攻撃した。これで、地球は壊滅だ・・・」  まもなく、衝撃波が船体をゆるがした。そして、衝撃波は何度もつづいた。数え切れなかった。  「静電パルスを防御しろ!船体を遮蔽しろ!」  ウイル・マーカス 船長宇宙物理学者の指示で船体が隔壁で遮蔽された。船外は肉眼で見えないだけでなく、全ての電子機器と光学機器による外部接触が不能になった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加