𝑬𝒑𝒊𝒔𝒐𝒅𝒆_Ⅱ

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「な、何言ってんの。利用なんて出来ないよ。」 「男を忘れるには新しい恋とか言うし、ちょっとは意識して。俺なら今みたいな苦しい思い絶対させない」 和泉の事は大切だと思ってる。 だからお試しで付き合うとか、利用して付き合うとかそんなのしたくないのに。 和泉は私の気持ちなんて無視するように利用しろって言う。 「…和泉はダメだよ。絶対、傷付けたくない。」 「バカだな、今更だろ。何年あいつに片思いしてるお前見てたと思ってんだよ。それよりも、1回でも友達以上になれるチャンスがある方が嬉しい。」 1回でも友達以上になれるチャンス。 それが回ってきた時に嬉しい気持ちはよくわかる。 だけど…。 「返事、今じゃなくていいから考えてみて。もう気持ちもわかって貰えたし、遠慮しないから。」 そう言って笑う和泉に、私は笑い返せなかった。 こんなに優しい人が、どうして私なんかを好きになるんだろう。 何かの間違いじゃないのか。 いや、間違いであって欲しかったのかもしれない。 和泉とはずっと変わらないでいたかったから。
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