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「な、なんで。今日返事してなかったのに」
凪先輩が家に来た。
給湯室のあれ以降話さないようにしてたし、来ないと思ってた。
「会いたかったから来た。迷惑だった?」
そう言いながら部屋に上がってスーツのジャケットを脱いで、ネクタイを外す。
「め、迷惑というか…。凪先輩、こういうの…「凪」」
話を遮られて何を言われたかと思えば、私が凪先輩と呼ぶのが好きでは無いらしい。
先輩呼びを辞めるようにいつも言われる。
「凪くん、こういうのはやめましょう?紗綾さんと別れてから考える事を付き合いながら考えるのはよくありません。」
「じゃあ、その間黙って待っててくれるの?あんな男が近くにいるのに?」
あんな男…は、きっと和泉の事だよね。
「絶対、よそ見しないで待ってるって約束してくれる?」
顔にかかっていた髪を耳にそっとかけられる。
触れられた部分が熱い。
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