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プロローグ・困った時は何でも屋へどうぞ
まるで、絵本から飛び出してきたかのようにドラゴンやモンスターなどの異種族が街に溢れる世界。
『赤月町(アカツキチョウ)』、と呼ばれるこの世界では、人々が暮らしやすいように法や機関が整えられている。
しかし、どうしても警察や行政機関だけでは手が回らないのも事実だ。
「はい、どーぞ。サラマンダーの革で作ったミトン」
「助かったー!品薄だから買えなくて困ってたのよね!またお願いね!」
そんな時、人々は彼を頼るのだ。
様々な神族や、種族から依頼を請け負い、それを熟す彼を。
一房のアホ毛が飛び出ている焦げ茶色のウルフカットに、スリット状の瞳孔が特徴の柘榴色の瞳。
黒のYシャツにスラックス、腰に赤いパーカーの袖を巻き付けた青年は、依頼人の女性に微笑みを向けたまま、言葉を返す。
「いえいえ、今後とも、何でも屋・水無月光一をご贔屓に。」
困った時は是非、何でも屋へどうぞ。
可能な範囲でではありますが、請け負います。
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