ハンバーグ・ティラミス・クレープ

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4  ナツは夜の出勤前に綾乃の店に来る。  売り物の指輪を薬指に嵌めて見せるので「似合うよ」と答えた。 「手が綺麗。大きくて指が細くて長いし白くて、女の人より綺麗。私より綺麗」  手を触って褒めちぎる。すべすべの手を見たあと顔を見上げるとその顔もテレビで見る女優さんのように輝いて美しい。なんでこんな人が彼氏なんだろうと不安になる。彼の頬に手を添えて呟く。 「肌だって化粧してない時も凄い綺麗」  ぼうっとしていると軽いキスをされた。背中や腰に腕を回してぎゅうっと力を込めて抱き締められた。 「なっちゃん」 「近付いてきたのはそっち」  耳を指で挟むみたいにして綾乃の頭を支えて唇を重ねる。今度は舌が絡む濃厚なキスだった。心臓がバクバクと音を立てる。空気が薄くなったみたいに意識が遠のいて体がふわふわしてしまうのは実は割と気持ちいい。体を預けて何もかも任せて眠ってしまっても安心していられるのはナツが自分よりもずっと大人の男性のように感じるからだろう。彼は香水をつけていない。それなのにいい匂いがして誘惑される。綾乃の頭や背中を弄る手の仕草も柔らかくて撫でられているみたいで気持ちいい。  ナツが綾乃を抱き締めて言う。 「綾乃ちゃんって、練乳みたいな匂いがする」 「練乳?」 「違うか。なんだろ、甘い、素朴なお菓子みたいな」 「香水はつけてないよ」 「知ってる」 「なっちゃんもいい匂いがするよ」 「そう?」  ナツの手は親指の爪が剥がれている他は綺麗なのだけど腕や肩や胸、あちこちに傷跡があるのを見た。施設で色々あったと聞いたけど虐待があったんだろうか。三年ぐらい前にようやく親戚が見つかって一応親代わりの人がいるらしい。彼のアパートの表札にある『函崎(かんざき)』という名前が本当の苗字なのかわからない。ナツがどんな人生を送ってきたのか知らないしナツも綾乃のことを殆ど知らない。それなのにキスをしたりセックスをしたりしている。順番を間違っている。お互いのことをもっとよく知った方がいい気がする。 「私、中学の時、家政部だったんだよ」 「家政部って何するの?」 「料理作ったりお裁縫したり。私上手なんだから。このエプロンも私が作ったし、あの鞄とかマフラー、手袋、あの辺全部私だよ」  綾乃が指差した手袋や鞄を見ながらナツが言う。 「凄いね。料理も出来るんだ?」 「出来るよ。友達とか家族は絶対美味しいって言ってくれるもん」 「作りに来てよ」 「いーよ」  調子に乗っていた。上手く乗せられた。自分はやはり頭が悪い。危機意識が足りない。ご飯を作りに行って食べてすぐ帰ると思い込んでいた。部屋に上がる時ですら全く予測しなかった。だからテーブルの上の食器が空になってすぐにベッドに引っ張っていかれた時は恋人らしく何かお喋りでもするのかと思った。押し倒されてニットを脱がされてやっと気付いた時手が出た。  ナツの頬を打って「待って」と声を絞り出した。  綾乃に叩かれたままナツの顔の向きはちょっと斜めだけど一重なのに柔らかい印象をした目は少しも怒ってなくて穏やかな眉のラインも全くぶれない。動揺してかなり力を込めて叩いてしまったのでナツの白い頬が赤く染まっている。だけど彼の柔らかい唇は閉じたままで女に殴られたのにその表情に何の感慨も見られない。女性に殴られ慣れているみたいで気持ちが挫けた。 「こんなつもりじゃない」  それだけやっと言ったけど綾乃もナツも既に上半身は裸だし綾乃に至ってはいつの間にかショーツがどこかに行って下半身はスカートと靴下だけである。手際が良すぎる。  彼女になって三日も経ってない。確かに最初から順序は違っていたけど付き合い始めは普通もっと穏やかなものじゃないんだろうか。もっとお互いのことを話してどんな人物かちゃんと知って絆を深めていった先にあるのが今しようとしている行為なんじゃないんだろうか。  高校には行かなかったのでわからないけど中学校で見かけたカップルは多分皆ちゃんと段階を踏んでいた。まず学校からの帰り道を共にして手を繋いでデートしてキスをして、そこから先を邪推するのは難しいけど、こんな、セックスにまで発展しているカップルはいなかったんじゃないかと思う。いたとしても多分物凄く少ない。  体はわからないけど心はまだ未熟だと自分でわかる。そんなまま心を消耗するようなあの行為を積み重ねていくのは怖い。それとも違うんだろうか。自分が世の中を知らないだけなんだろうか。皆こんなことは当たり前なんだろうか。  綾乃を抱き締めるナツの体を押し返そうとするけど力では敵わない。綾乃の後頭部を乱暴に掴んで無理やり重ねた唇は甘くて意識が遠のく。それを振り払ってまた彼の頬を叩いた。だけど全く動じないナツは貪るみたいなキスをした。上品じゃないけど下品でもない。強引なのに優しくて思いやりがある。もう意識も体もふわふわして抵抗は難しかった。だけど無理矢理だから涙が出た。  足を開かれてナツのものが体の中に入ってきた時自分で聞いても哀れな悲鳴が出た。自分のものとは違う重量感が股間を圧迫してだんだん熱くなって快感に変わって溶ける。病みつきになりそうで怖いと思った。  腰を掴まれて激しく揺すられる。耐えられなくてのけぞったり上半身を丸めたりと悶え続けた。ナツの頬を伝う汗が綾乃の乳房に落ちる。  彼とはセックスばかりしている。だけど自分にはこの行為はまだ早い。体と心が分離してしまう。体がナツに慣れ過ぎて自分一人ではいられなくなりそうな感覚がして不安になる。  真夜中に眠れなくて窓を開けたら白い鳥が部屋の中に飛び込んできた。鳥は暫く部屋の中にいた。よく懐く鳥でテーブルの上に乗って頭やお腹を撫でさせてくれた。だけど可哀想だと思って窓から逃がしてやった。夢だった。  目が覚めて横を見ると綾乃の方に体を向けて横になっているナツと目が合った。飄々とした顔をして彼が言う。 「綾乃ちゃんの店、明日定休日だよね。どこか遊びに行こうよ」 「今何時?」  訊くとナツは自分の携帯電話を取って答えた。 「零時二十一分」 「私何時間寝てたの?」 「二時間ぐらいかな」 「もうっ!」  手をついて体を起こす。横向きに寝ているナツの体の上を四つん這いで跨ぐ。途中で何をしようとしていたのか忘れた。寝惚けているし混乱している。そうしたらナツがごく自然な仕草で綾乃の腰に腕を回した。綾乃の体を抱き寄せてニコニコしている。  ナツは化粧をしたままである。その顔に手を当てて瞼を擦ったり口紅を引き伸ばしたりした。目の周りが黒くなってパンダ目になった。口紅が唇から食み出して口裂け女みたいになったけど美人のままである。  天井の照明は白くて眩しい。エアコンが作動中で裸でも部屋の中は温かい。カーテンは厚地の白。カーテンレールの上にカエルのぬいぐるみが乗っている。  ナツの携帯電話が短く鳴った。誰かから連絡だろうか。それを見て足元の鞄を拾って自分の携帯電話を取る。着信履歴に父という文字が並んでいる。元々小心者なので体が冷たくなった。ナツが言う。 「何回もしつこく鳴ってたよ」 「ずっと起きてたの?」 「ちょっと寝たかな」  黒い椅子に掛けたマフラーは英国風のチェック柄。  床は足の踏み場がないぐらい服が散らばっている。ナツは片付けられない人なのかもしれない。  高級なコートはハンガーに吊るされて立派な鏡台に掛けられている。鏡台の三面鏡がワンルームの部屋を広く見せる。  チャーチの革靴とマノロ・ブラニクのハイヒールがダイニングテーブルの下に転がっている。あれはあんなに雑に扱っていい物ではない。  チャーチは女性からの贈り物でマノロ・ブラニクは男性からの贈り物であるらしい。革靴は履けるけどハイヒールは履けないらしい。  大きな冷蔵庫の横のダイニングテーブルの上には空になった皿が残されている。カップボードに収納された電子レンジと炊飯器はどちらもかなり高性能の大型。  開きっぱなしのクローゼットの中はハンガーにかけられた衣類が男物と女物が混ざってぐちゃぐちゃに押し込められている。アクセサリーやネクタイがじゃらじゃらと内側に吊るされている。  ベッドの横にあるローテーブルの上にあるリモコンを取ってテレビをつける。Perfumeが歌っている。『ワンルームディスコ』という曲が可愛い。 「お風呂入りたい。お腹すいた」  綾乃が言うとナツが答える。 「冷蔵庫にシュウマイがあるよ」  先にシャワーを浴びる。下着だけ着けて浴室の外に出る。電子レンジで温めたシュウマイを食べながら訊く。 「ロールキャベツ美味しかった?」 「うん。また作りに来てよ」 「髪切っていい?」 「いいよ」  洗面所ですきバサミを見つけた。 「綾乃ちゃんの髪も切っていい? 前髪だけ」 「それ、普通のハサミじゃん、バッサリ切っちゃったらかっこ悪いよ」 「大丈夫、かっこ悪くならない切り方知ってる」 「……じゃあいいけど。切りすぎたら駄目だよ」  ベッドの上でナツはズボンだけ穿いている。パンダ目のままである。女顔なのに体が男なのはやはり変である。長くて綺麗な髪が女性的すぎるのでちょっと切って毛先にばらつきを出せば多少変わるかもしれない。怒るかなと思ったけど怒らなかった。  向かい合って座って髪を切り合う。ナツが言う。 「早く帰らなくていいの?」 「多分もう寝ちゃってるよ」 「待ってるかもよ」 「まだ大丈夫」  ナツは綾乃の目を見て微笑む。 「綾乃ちゃんのお父さんってどんな人? 怖い?」 「頑固。自分勝手で私とお母さんのこと凄い振り回すの。休みの日に急にキャンプ行くぞって連れていかれたりする。この前なんかオーロラが見たいって海外まで連れていかれて。そういえば最近会社で何か言われたのか家事なんかしたことなかった癖にたまに料理するようになって鍋焦がしたり電子レンジ爆発させたりして、不器用なんだからキッチンに入らないでってお母さんが怒っちゃって大喧嘩になって私まで巻き込まれて大変だったよ」 「仲いいんだね」  ナツはいつもニコニコして綾乃の話に相槌を打ってくれる。ナツは膝を立てた脚で綾乃の体を挟んでいる。女装をするからか腕にも脚にも毛がない。細いけど筋肉質でしなやかでナツはとても綺麗な体をしている。肩幅が広くて胸板も厚いし硬くて頑丈で裸になると男性的な要素しかない。  明るい所で長い間見るのは初めてなので彼の体の傷跡がここまで酷いとは思ってなかった。戦争に行ってきたかのような壮絶な体をしている。火傷跡のようなものは全身に散らばっているし肩と腰は明らかに大部分肉が抉られたことがある跡が残っている。直視するのが耐え難い。目を見て訊く。 「肩と腰の、それどうしたの?」 「ああ、十四の時、乗ってたバスが横転して路面電車と衝突して周囲の車巻き込んでバスも電車も大破っていう大事故でさ、いっぱい人が死んだけど俺は割れて飛んだ電車の部品がこの二か所に突き刺さっただけで済んだからましな方」 「突き刺さったの?」 「あんまり血は出ないんだよ。刺さってるの見た時はびっくりしたけど目で見て認識するまで殆ど痛くなかったし気付いてからはなんでこれで生きてるんだろうって思ったけど。人がいっぱい死んでたから誰かの血とか肉とか浴びて地獄みたいだったな」  それだけ言うとナツはベッドから降りて浴室の方へ行ってしまった。綾乃もベッドから降りてシュウマイの残りに手を伸ばす。  洗面所から出てきたナツは顔を洗っていた。すっきりした顔をしてコンロに火をつけて薬缶でお湯を沸かし始める。  テレビは夏の音楽フェスの映像を放送している。観客の顔を照明の光が鮮やかな色に染めている。  エアコンを見上げる。カーテンを少し開いてみた。向いのゲームセンターは営業時間を過ぎている。だけどガラス張りの建物の内部でUFOキャッチャーが青白く光っているのが見える。  ナツはカップ麺を持って戻ってきて食べ始める。  暫く一緒にテレビを見ていたけど二時を過ぎていることに気付いて立ち上がる。使った食器を洗って服を着る。 「帰るね」と言うと「泊まっていきなよ」と止めるので首を振った。  携帯電話を見ると零時を最後に着信はないけどナツが言ったようにもしかしたらまだ眠らずに待っているかもしれない。父も母も割と楽観的な性格をしているので多分ないとは思うけどもしかしたら今もまだ玄関に明かりをつけて待ち構えているかもしれない。 「じゃあ送ってくよ」  助手席に座って頼む。 「ちょっと離れた所で車停めてね」 「わかった」  ナツは左手でハンドルを握っている。  深夜なので車は大通りで一台すれ違ったきりである。人の姿も見ないし建物は沢山あるのに悉く灯りは点いてない。静かだった。 「ここ。もう停めて」  綾乃の家は住宅街の中にある。百メートルぐらい離れた所に停めてもらって車を降りた。 「ありがとう。おやすみ」  ドアを閉めて歩き始めるとすぐに運転席のドアが開いて「綾乃ちゃん」と呼び止められた。パーカのフードを被って車から降りてくる。 「携帯忘れてるよ」  綾乃の右手に携帯電話を握らせると綾乃の顔に手を添えて上を向かせてキスをした。微笑んで言う。 「昼頃迎えに来るよ」 「うん。じゃあね、気を付けてね」  ナツの背中に手を振る。別れ際のナツはいつも素っ気ない。  玄関のドアを開けるとすぐに廊下の照明がついて驚いた。母が立っている。パジャマの上にオレンジ色のカーディガンを羽織っている。少し怒った顔をしている。 「こんな遅くに帰ってきて。お父さんもさっきまで起きて待ってたのよ。彼氏が出来たの? 健全なお付き合いなの?」  口籠っていると母は続ける。 「綾乃にはまだ早いんじゃないの? どういう人なの? 今度連れてきなさいよ」 「わかったから。もう寝るね」  昼を過ぎた頃に電話が鳴ってナツが外で待っていると言うので母の目を盗んで家を出た。助手席に乗って訊く。 「どこに行くの?」 「昼御飯食べた?」 「まだ」 「じゃあ食べに行こう」 「今日は早く帰るからね。親に怒られたの」 「わかった」  駅前にある大型の商業施設のレストランでピザを食べた。靴を見ようとナツが言うので自分用だろうと思っていたら綾乃にパンプスを買ってくれた。緑と金の装飾が綺麗な靴で少し見ていただけなのに欲しいのがばれてしまった。気付いた時には支払いを終えていて店を出た所で差し出された。受け取りながら訊く。 「なんで? 誕生日でも何でもないよ」 「誕生日いつ?」 「三月」 「何が欲しい?」 「欲しいもの、ないよ」 「何も?」 「強いて挙げるなら旅行に行きたい」 「どこ行く?」 「現実的なのだと温泉とか? 一泊でどこかの観光地」 「現実的じゃないのって?」 「幽霊になったら世界旅行がしたいな。行きたい所に飛んでいくの。でも一人じゃ寂しいかな」 「生きてる間にすればいいじゃん」 「時間もお金もないよ」 「作ればいいよ」 「なっちゃんは? 誕生日いつ?」 「六月」 「何が欲しい?」 「うーん、何かな」 「あんまり高いのは無理だよ」  ナツは笑いながら綾乃を抱き締めて綾乃の頬にキスをした。綾乃の顔を両手で包むみたいに触りながら綾乃にキスをする。  ナツの肩を押して離れようとした。だけど離れない。綾乃を抱き締めて綾乃の首にキスをする。 「人がいっぱいいる」 「関係ないよ」  綾乃の背中に手を添えて綾乃にキスをした。ナツの体を抱き締める。ナツといると楽しい。気の弱い自分が人目を気にせずに大胆になれる。 「何か甘いもの食べに行こうか」  ナツが言うので提案した。 「この前ハンバーグ食べた洋食屋さん、あるでしょ? あの近くにクレープ屋さんがあったの。あのクレープ食べたい」 「ああ、わかった」 「食べたことある?」 「あるよ。俺、きょうだいがいたんだよ。年の離れた姉で、母親は俺産んですぐに死んだから母親代わりみたいな人だったんだけど、その姉があそこのクレープ好きだったよ」 「仲良かったんだね」 「死んだんだよ。ずっと前に、交通事故で」 「寂しいね」 「うん」  ナツは頷いて言う。「寂しい」 「ごめん、やっぱりクレープはまた今度でいい?」 「え」 「俺んち行こう」 「家?」 「晩御飯作ってよ」 「じゃあ買い物して帰ろう」  スーパーで食材を買ってナツのアパートでシチューを作った。食事が済むとすぐにベッドの上に連れていかれて服を脱がされた。掴まれた腕を振って抵抗する。 「今日は早く帰るって」 「何時までに帰ればいいの?」 「七時とか」  ナツは綾乃を抱き寄せて綾乃の目を見ながら探るようなキスをする。 「八時。……九時でも大丈夫」  ナツは綾乃の鼻にキスをする。くすぐったい。温かくてしっとりしたナツの舌が綾乃の鼻をなぞる。気持ちよくて全身がぞくぞくする。ナツの目を見ると気怠い表情で綾乃の目を見た後口を見た。また唇が重なる。  気持ちよすぎて理性を保つのが難しい。正気を保つのが難しい。気が変になる。動悸がする。今日は早く帰らなければならないのでそうなってはいけない。身を任せ過ぎてはいけない。喋れば気を紛らわせられるかもしれない。 「なっちゃんて、キス好きだね」  ナツは綾乃の目を見て答えた。 「気持ちいいから好きなんだよ」 「前からそうなの?」  ナツは綾乃の頬を撫でると言う。 「俺のこと、誰とでもやる奴だと思ってない?」 「仕事で、色んな人としてたんでしょ?」 「もうしてないよ。そこまでしなくてもそこそこ稼げるようになったし」 「でもセックスは好きなんでしょ? 会う度にするし」 「セックスは好きだけど好きな子じゃなきゃキスなんか何回もしないよ」  綾乃の耳を舐めながら胸を揉む。綾乃の胸を掴んで顔を近付けると乳首を口に入れた。乳房を軽く噛まれる。  綾乃の股間を掌で擦りながら胸から顔を少し離すと自分の性器を右手で掴んだ。先端で綾乃の膣の入口を擦る。暫くすると滑るようにどんどん中に入ってきた。ゆっくりと綾乃の下腹部に体重をかけてくる。ゆっくり腰を動かした後少し引いてまた押し潰すように腰を入れてくる。  普段の自分なら恥ずかしくて出せないような声が出ている。いつの間にか早い速度でナツの性器が膣を出入りしている。膣が痙攣している。ナツの声が聞こえる。 「お尻浮かせて」  言うとおりにした。全身に稲妻のようなものが走る。とても耐えられない。
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