日記

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こぼれた涙がノートに落ちた。 変われていない。私はこの頃から変われていない。 今でも自分が情けない。 やっぱり謝るべきは今の私だ。 過去にこれだけ自分が嫌いになって、それでも私はあの頃のまま。 何も変わっていない。 「ごめん、ごめん……ごめん、なさい」 ぽたぽたと落ちる雫で数年前の文字が滲んでいく。 ずっと苦しませてごめん。 ずっと情けない思いをさせてごめん。 ずっと変われなくてごめん。 死にたくない惰性で生きてきた。 死ねないせいで生きることしかできなかった。 それだけで精いっぱいだった。 その日一日を生きるために、少しでも自分の精神が逃げられるように、本ばかり読んできた。 この先も私はきっと死ねない。今だって死ぬのは怖い。 でもせめて、生きている間はもっと楽でいたい。 楽しいと思いたい。 あの頃の私を助けたい。 そのために私にできることは……。
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