我 (オレ) / 僕 (ぼく) × 在这世界上 / この世界で

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姫島:「大丈夫? ホントに怪我(けが)とかしてない?」 美愛:「大丈夫だよ。私は平気。相原さんもなんとか生還したしね」 姫島:「それ今こっちでめちゃくちゃニュースになってるよ。そういえばさ、あの王って選手、美愛の元カレじゃね?  なんで相原の幼馴染? なぁ、こっちに帰って来られないの?  難しいなら休みとって俺がそっち行くから」 美愛:「いや、大丈夫だから。ホントに危ないから。政府の人が帰りのフライト、手配してくれてるの。私もそのうち日本に帰国するから大丈夫だよ」 姫島:「あの王とかいう元カレはそっち行けたじゃん!! なんで俺はダメなの!? まさか………やっぱりそういうこと!? 俺、捨てられちゃう!?」 美愛:「退避勧告が出てる地域には来られないの。王さんは相原さんのご家族からの強い要望が日本政府にあったから来られたんだよ。(そう)くんは来られないよ」 姫島:「………なぁ」 美愛:「「うん?」 姫島:「俺、美愛のこと………あ、愛してるから!!」 美愛:「はーい。私も。じゃあ切るねー」 姫島:「ちょっ!つめ―――」 「はぁ………」とため息をつき、電話を切った美愛はそのままスマホの電源を切った。すると「元カレ? 俊が?」とそばにある医療用ベッドの上で横になっている真央斗が口を開いた。 真央斗:「かわいそ。姫島くん」 美愛:「だって高校の時しつこかったんだもん。いいでしょ? 真央くんのなんだし。あれ? そういえばどこ行っちゃったの、彼?」 真央斗:「じゃないからね。俊なら今買い出し行ってもらってる。この状態じゃ身動きとれないから。まあ、ここは中心部だし、この時間帯なら少し外で買い出しするぐらいは大丈夫でしょ」 真央斗の緊急手術が無事に終わってから2週間が経過した。彼は一命と取り留め、術後すぐに比較的安全な首都中心市街にある病院へと移っていた。美愛は日本政府の手配で数日後日本へ一時帰国することになり、お見舞(みま)いも兼ねて今日は真央斗にお別れに挨拶をしにやってきたのだった。 美愛:「そっか………じゃあ、もうそろそろ行くね」 真央斗:「うん。本当に色々ありがとう。よかったら帰りに大使館の方にも顔出してよ」
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