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 マヒワたちは、護衛隊の先頭にいた。 「それはな、探索をしこたまやって、怪しいと思ったら、避けているだけだ」 「ふむ、ふむ」 「いいか、マヒワ。一に探索、二に探索、三四も探索、五に逃げだ」 「だから、野盗と遭遇しない、と」 「おうよ。戦えば、必ず被害が出る。戦いを避けることが被害を最小限に抑える秘訣だ」 「そうであることは理解しますけれど……」 「物足らないのだろう?」  ウトゥの言葉に、マヒワは素直に頷く。 「様子をみて、危ないと思ったら、逃げるだけじゃ、ねぇ……」 「おお、なんと汝は正直者よ」  と、ウトゥは芝居がかった声で言う。機嫌が良さそうだ。 「どうしても避けられないときもある。そのときでも、探索をしっかりとしておけば、相手よりも優位に事を進められる」 「そして、最後に決めるのが技量である、と」 「うんにゃ、違うぞマヒワ」  そう言われて、マヒワの眉間にしわが刻まれ、「じゃ、なによ?」と暗黙に問うている。 「――度胸だよ、マヒワ。覚えておけ」  ウトゥは口元に微笑みを浮かべて、言葉を続ける。 「マヒワの大事にしている技量はな、度胸をつけるのに役立つんだ」  ウトゥは後ろを見て、マヒワの弟子たちにも聞こえるように言った。 「鍛練を重ねて、技量を高めると、絶対の自信が身につく。その自信があるから、敵の白刃を前にして、一歩を踏み出せる度胸が出るんだ」 「なるほど。納得です!」 「いくら技量が高くても、びびって間合いが遠ければ、攻撃が届かないだろう。その間合いを詰めてくれるのが、度胸だ」
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