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土曜日の昼、インターホンが鳴って雪がパタパタとスリッパを鳴らして出る。
そして騒がしい声と共に雪は帰ってきた。
「お、帰ってきたか。クソ頑固女」
「本当言いたいことは山程ある、お節介男」
そう皮肉を言い合う俺と、数日前まで北海道に居た絢の姿だった。
あの後、俺が電話したのはもちろん新谷さんだ。
新谷さんに絢の勤務先を教えて、新谷さんはすぐに絢を迎えに行った。
絢は新谷さんに絆されて帰ってきた。
2人は今や恋人同士で、前よりもずっといい表情をしている。
「でも幸せって顔に書いてんじゃん」
「…それだけは本当そう」
ダイニングテーブルを挟んで俺の向かいに座る絢。
「これおみやげね」なんて言いながらテーブルに置く。
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