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«覚えてるよ、ノロマな絢はちゃんと定時で上がれんの?»
そうすぐ返事をすると絢から怒っているパンダのスタンプが怒られてきた。
こんなやり取りだけで幸せだと感じる。
だけど俺の想い人は、違う男に片思いしている。
大学時代からの先輩で絢と同じ部署の、新谷 凪さん。
俺はこいつが嫌いだ。
元々絢に気があったくせに謎にこの会社の社長の娘と婚約している。
そんな男やめておけばいいのにと思っても恋は盲目とはよく言ったもんで、絢は諦めず好きでいる。
「(俺も…さっさと諦めればいいのにな。)」
ふとため息を付いて隣に座る白井 雪に声をかけた。
「悪い、これ打ち込み頼んで良い?」
営業補佐の事務をしていて、1つ下の入ったばっかの後輩だ。
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