84人が本棚に入れています
本棚に追加
それから数週間後俺は思わぬ形で絢とアイツの関係性を知ることになった。
同期会に誘った鈴鹿に断られて絢を誘おうと総務課に顔を出したら無理な仕事を急に新谷さんが投げつけた。
普段そんな事しそうにないあの人が。
俺もこの意味がわからないほど鈍感ではなくて、俺が絢とふたりきりで飲みに行くのをよく思わなかったんだと思う。
牽制してきたんだ。
こいつ本当なんで婚約してんの。
そしてこんな時は本当鈍ければよかったと自分でも思う。
夜、急に残業を押し付けられた絢を手伝うために総務課のオフィスで二人で話していた。
「もし、相手に彼氏いたら諦められる?」
そんなことを急に聞いてくる。
「…それ、お前とあいつの事だろ?」
「あいつって、先輩でしょ」
本当何でアイツが良いのかな。
あんな胡散臭くて、婚約者いるくせにお前に気が合ってそんな誠実でも何でもない奴放っとけばいいのに。
最初のコメントを投稿しよう!