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父は確かに北海道出身なのだが、この本では有希子との出会いは北海道に来てからのようだ。
なら、父が出ていった原因は不倫ではないのか?
文筆業を生業としていた?
父は出掛けることもあったが、それは母とは比べものにならないぐらい少なく、ほとんどが在宅での仕事だったと思う。家事全般、父がやっていたのだ。ただ父の詳しい仕事内容は知らない。
父とよくふたりで喫茶店に行きオムライスを食べたことはなんとなく記憶にある。
そして、隆は有希子を愛していたのだろうか?
もちろん、有希子の一人称なのだからわからないが……。
隆が父のようでもあり、そうでない気もする。
ノンフィクションにフィクションを混ぜているのか、そもそも全部がフィクションなのか?!
でもそれはない、それではあのペンネームの意味がなくなる。
ひとりであれこれ考えてみても結論など出るはずもなかった。
私は『愛しい人』の出版社に問い合わせ、次の休みに担当者に会う約束を取り付けた。
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