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 僕は手にした手紙に目を落とした。  決して楽しいばかりの恋じゃなかったけど、苦しい想いもたくさんしたけれど、僕と彼女は、あの頃、確かに真剣に向き合って、必死に恋をしていたんだ。  その証が、この四通の手紙だ。  この手紙の中に込められた想いは、決して色褪せることは無い。  永遠に、永遠に僕と彼女の恋の証として在り続けてくれるだろう。  僕は最後の手紙を丁寧に折り畳むと封筒に戻した。  そして、彼女との想い出の品々を集めて、再び袋にしまうと、学習机の引き出しの中に、そっとしまった。 おしまい
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