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 四通目の手紙には、彼女の弱音が綴られていた。  就職活動が上手くいかないことや、親の言いなりになって自分で進路を決められないこと。  僕と電話が繋がらない夜が不安なこと、そして、無性に僕に会いたくなってしまうこと。  わたし、前よりも弱くなってしまったんかな。そんなわたしのこと、嫌いにならんとって。  手紙には、そんな彼女の言葉が記されていた。  どうしてだろう。どうして、僕は、彼女からずっと想って貰えないなんて、思い続けていたんだろう。  その手紙には、彼女からの好きが、こんなにも溢れているというのに。  
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