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 涙は出なかった。だけど、余りの悲しみに僕は気が狂いそうだった。  彼女との関係が途絶えて、改めて彼女の存在が、どれほど僕の中で大きなものだったのか気付かされた。  しかし、大学生活の全てを投げうってまで、彼女に会いに行くような気力は、僕にはなかった。  彼女の心は、もう別の人に向けられており、彼女がそんなことを望んでいないことも、僕は十分過ぎるほど分かっていた。
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