本編

11/32
前へ
/34ページ
次へ
「アイツは全部断るって言ってたけど、どうかなあ、怪しいもんだよ」 会場で販売する為のスイートポテトとカボチャシュークリームを取りに来た光輝が、途中経過を教えてくれた。 「盛り上がってますね、光輝さんは?」 「俺は二枚」 光輝は死神の衣装のポケットから自慢げに蝙蝠型のカードを取り出した。 「やりましたね、それは早く会場に戻んなきゃ!」 フミは急いでケースにシュークリームを詰める。 「でもさ、やっぱりフミちゃんが一番可愛いよ」 「わかったわかった、ありがとうございます!」 フミは扉を開けて光輝の背中を押した。 「打ち上げはコミュニティセンターでやるからさ、店が終わったらフミちゃんも来てよ」 「仕込みがあるんで遠慮しときます」 明日は商店街の休日なので、仕込みは必要ないのだが、とても皆で騒ぐ気分にはなれない。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加