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目の前に掲げられた画面には、美女に囲まれた八反がいた。
「俺の家族。母さんと姉ちゃん三人。ちなみに撮ってくれたのが父さん」
おお……美形家族。そして、女系。壮観だな。
「良く家に来るんだよ。代わる代わる。やめて欲しいんだけどさ」
「揃いも揃って美形ですね」
「……俺にはフミちゃんのが魅力的に見える」
これを見せられてその言葉を信じるのは、勇気いる。
「ここがまだじいちゃんのやってる甘味屋だった頃、じいちゃんの様子を見がてら良く来てたんだよね。大学も近かったし。……そん時からフミちゃんを知ってる」
フミは驚いて顔を上げた。
「『ぴよこっち』でいつもケーキを買って、幸せそうにニコニコして帰る女子高生を見て、癒されてた。可愛いなぁって」
まさか、あの頃から見られてたとは。
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