18人が本棚に入れています
本棚に追加
「良いですよ、私はどうせ表には出ないし。でも、何だか楽しいですね。こんな時間から通りに人が歩いてるの珍しい」
「青年部から提案された時はどうかと思ったけど……中々良いわねこれ。変装すると年甲斐もなくウキウキするわぁ」
二人は通りの向こうを見た。
至るところに飾り付けられたカボチャや案山子、蝙蝠、お化けのオーナメント。
今日は、この、『てるてる商店街』上げてのハロウィンイベントなのだ。
メインは所謂街コン。
スタンプラリーやオリエンテーションを絡めて子供を含めた若い世代を呼び込む狙いだ。
各店舗はハロウィンにちなんだ限定商品を販売したり、特別セールを行う。
「それにしても、サブちゃんもさっちゃんも残念だったねぇ、はりきって準備してたのに」
田中のおばさんは、角の付いたフードで包まれた顔をしかめた。
「フミちゃんがいてくれて良かったわよ」
フミは笑顔を浮かべたが、内心は複雑だった。
最初のコメントを投稿しよう!