聞きたい

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聞きたい

その日以来、俺は毎日駅へ足を運んだ 来る日と来ない日があった 来る日はお昼過ぎに1人で来て好きなだけピアノを弾いてまた1人で帰っていく ただただ楽しそうに、 少し寂しそうに、 ときどき苦しそうに、 俺はいつも柱の裏に寄りかかってその音色に耳を傾ける 学校に行かなくなってから初めて毎日家を出るようになった そんな俺を見ても親は何も言わない 行ってきますを言っても何も返ってこない 住む家とご飯と洋服があるだけありがたいと思えということなのだろうか でも彼女のピアノを聞いていればすぐに忘れる そんなことを思いながら今日もまた駅へと足を運んだ
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