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「どうぞ」 「お邪魔しまっす」  中は、白い壁紙のせいか、南向きでちょうど日が入る時間のせいかすごい明るくて、クリスマスの時期だってのにエアコンついてなくても暖かかった。 「……いい部屋っすね」 「褒めてもケーキしかないぞ。あ、手洗ってな。洗面所そこ」  男の一人暮らしでいきなり手洗えと言われるのはいかにもセンセーっぽい。  インフルとかやっぱ気をつけてんのかな。  手洗って洗面所出てくると、センセーは台所で電気ケトルに水入れてた。 「そこ座って。お前何飲む。コーヒーか緑茶ならある」 「あ、じゃコーヒーで」 「牛乳入れる?」 「センセーは?」 「俺は入れる」 「じゃ同じの。……てか、なんか手伝うことあれば」 「そしたら冷蔵庫からケーキ出して。開けていいから選んで」 「へーい」  冷蔵庫開けると、真ん中の段にケーキの箱のほかは牛乳、缶ビール、ジャム、調味料と麦茶のペットボトル。あとはコンビニのサラダの食べ残し。 「……センセー、普段何食ってんの?」 「だいたい外食かコンビニ弁当。帰り遅いから途中で食ってきた方が効率いい。俺の心配はいいからケーキ選べ。そこに皿置いたから」  箱開けると、どちらもヒイラギとベルの飾りがついたショートケーキと、チョコレートケーキ。 「じゃ、チョコレートで」 「そんな気がした」 とセンセーは笑った。   「センセー、これ美味い」 「そんなに高い店じゃないんだけどな。気に入ったなら良かった」  センセーは笑って言う。 「実家行く時のお土産とか、あと他の先生に何か頂いた時のお返しとかで時々使うんだけど、評判いいから」 「自分の誕生日とか買わないの?」 「お前、男一人で誕生日にケーキ1個買うって寒いだろ」
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