幼馴染と溺愛とクズ

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月曜日の朝 しっかり眠ったせいか 朝の目覚めは清々しかった ただ横にいたはずの アキトの姿はなく 締め付けられる胸の痛みが 唯一心残りだった ハルの指定通り 園田工業のビル清掃員として 通行許可書も手にビルに潜入 各階のトイレ清掃を任されていたため 各階に移動できリョウにとっては好都合だった 先に山田 太一が本当に退職したが確認するために人事部がある 3階の男子トイレに移動 ネームプレートに書いてある人事部の人を探して 見つけた 「すみません 人事部の方ですよね」 「はい そうですが?」 「人事部の山田 太一さんにトイレに忘れていったものなんですけどお返ししてもらえますか?」 「山田のですか 今外回りだっけなわかりました 渡しときます」 そのやりとりで 山田 太一はまだ在籍していることがわかった 「お願いします」 どうして退社したって言ったんだろ・・・ 男子トイレの中で一人考えるポーズで佇むリョウ 「何悩んでるの?」 突然耳元で囁かれる 聞き覚えのある声 「えっ アキトどうしてここに?」 デジャブだ 無造作な髪の毛は綺麗セットされ 見たこともないような仕事スーツで 目の前に立つアキト ニコニコ笑いながら 前も見たことがある目が笑ってない笑い方 「リョウちゃんと一緒仕事」 「でもリョウちゃんは いただけないなぁこんなとこにいて」 「俺許した覚えないよ こんなの」 どうして? アキトが怒ることって・・・?怒ってる理由がわからない 「ここ男子トイレだよ」 「俺以外のは見なくていいから」 「リョウちゃんが思う以上にグロいから汚いからトラウマだから」 アキトに圧倒されて後退りしながら 「うん ごめん そうだね女子トイレ掃除に行ってくる」 そう言ってトイレを出ようとすると アキトに腕を掴まれた 「帰ったら 楽しいお仕置きだね」 また アキトの目が笑ってない どうやら アキトの地雷を踏んでしまったようだ この前のクラブみたいに アキトと鉢合わせしてしまった アキトがいるって事は 危険要素しか感じない 警察関係者と知り合いとか知らなかったし アキトは何を調べているんだろう?帰ったら聞き出すしかない ひとまず今日は女子トイレ中心に掃除するしかない
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