幼馴染と溺愛とクズ

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告発者に連絡を取ることにした ノビル新聞社(リョウの務めてる会社)に 告発した人 山田 太一(ヤマダ タイチ)の会社に問い合わせてみたが 退職してもういないということだった 数日前までは 普通に会えていたのに やはりおかしい 「リョウさんどうします」 ハルが退職後の足取りを探してるが  手がかりがない 気になったらとことんやるしか無い ってことで 「私 また潜入調査してくる 山田 太一の務めていた会社」 「耐震偽装が疑われる園田工業株式会社」 力強く言ってみたが 前回の高級会員制クラブの潜入が物足りないなんて 今度こそはきっちり最後まで自分の力で調査したい ハルにお願いしたが 今は会社の空き要員はなかったので ビル清掃員として入る事になった 月曜からの出勤のため一度家に帰る事に 怒涛のような日曜日が終わろうとしている 家に帰ってもアキトは お仕事の為いないし コンビニで缶ビールを2本買って帰宅した 真っ暗な家 本来は一人暮らしだからこの時間に帰ってきたら真っ暗が当たり前だ だけど私が帰る時間帯には いつもアキトが部屋を明るくして待っていてくれた 帰る時間帯を把握してるなんて 怖い行動なんだろうけど 恋人同士になったせいか麻痺して 嬉しく感じてしまう お風呂だって自分で入れて 一人で入る さみしい、、、 「ビール飲んだら泣いちゃうかも」 独り言をお風呂で呟いて上がった 泣くのをわかってて ビールを開けて飲む 一人でまったりするとか言ったけど そんな余裕なんてない 会いたくて 寂しくて  こんなふうになっちゃうなんて、、、悔し、、、 ガチャガチャ 「ただいまー」 何食わぬ顔で ひょうひょうと現れたアキト 「えっ何で?」「帰って来れないって」 勝ち誇ったように意地悪な眼差しで 「リョウちゃんが寂しくて泣いてると思って来ちゃた」 「、、、、何それ」 「恋人の心配してるだけ 泣いてた?」 顔の涙を指で拭いながら わかってて聞くとこがむかつくが 「寂しかったっ」 それを聞くと満面な笑みで 私を抱え上げ 啄むキスをしてベッドまで運んでくれる 「あっ昂ってベッドに連れてきたけど  ダメな日だった」 そう残念 名残惜しそうにベッドに リョウを寝かせ 「すぐ戻らないといけないけど  もう少しだけ一緒にいよ」 そう恋人の顔を愛おしそうに 触れるアキト さっきまでの寂しさも悲しさも一瞬のうちに忘れ アキトの腕の中でゆっくりと眠りについた
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