550人が本棚に入れています
本棚に追加
1話 王と愛人
作品を読んで下さり有難う御座います。ページスタンプをポチッと押して頂けたりブクマして頂けると嬉しいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「バルコニー王様ぁ。ユースマン家が販売しているあのブランドのバッグ買ってえ」
「勿論だよミセス。君の為なら何でもするよ」
「やったあ」
ユーミアが、王宮の廊下を渡り執務室に向かう最中に、二人の成人済みの男女二人の声が聞こえてくる。ユーミアはそんな二人の様子を数メートル離れた所で見ていると、買ってえと女の方が気付きあ。と声を出し、ユーミアを見た。
「あ。ユーミア王妃様じゃないですかぁ」
「えっユーミア?」
すると、二人ー20歳くらいの女性、ミセスと25歳くらいの男性でこの国の王であるバルコニー王はユーミアを見た。するとバルコニー王は気まずそうな顔をした。
「な、何しているんだ、ユーミア」
と、バルコニー王はユーミアに聞いた。
「…今からラビア宰相と会議ですわ」
「そうか、いつも悪いなユーミア」
バルコニー王は申し訳なさそうに言うと、ユーミア王妃は眉間に皺を寄せた。そして彼女は、はぁとため息をつくとバルコニー王に向き合った。
「…バルコニー王様、貴方、いつも私に重要なことは任せてませんか?先週も先先週も貴方は行ってなかったじゃないですか?」
「そ、それは…」
ユーミアが追求すると、バルコニー王はどもった。すると、横からミセスが沸いてきた。
「なに言ってるんですか~ユーミア王妃様。愛人とバルコニー王がお話するという大事なバルコニー王のお仕事なのですよ??」
「ミセス」
ミセスは怒りながらユーミアに食い付く。
「ユーミア王妃は王妃なのにそれぐらいも分からないのですか?」
ミセスはユーミアのことを見下しながら言った。バルコニー王は二人の様子にしどろもどろとしていた。ユーミアはその様子に冷ややかな顔で見ていると、
「そう、それは失礼しましたわ。では急ぎますので、二人ともご機嫌よう」
と、ユーミア王妃は去っていった。しかし、その去り際
「正妃だからって調子乗らないでよ」
と、どす黒い女性の声が聞こえたが、ユーミア王妃はそれを無視した。
(愛人を作って、喋ってばっかりいるのが仕事ね…)
と、ユーミア王妃はミセスが言う事に呆れていた。
最初のコメントを投稿しよう!