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家に着いてそのまま陸を帰そうとした時、手を出された。
「奈緒ちゃん、合鍵渡して」
「…は?」
流石に言葉を疑った。
陸はどこまで私に干渉してくるつもりなの。
「嫌なんて、言う権利ないでしょ?渡して」
さっきまでお願い口調だったものがいつしか命令になっている。
そしてその目の奥は冷えきっていた。
私からの好意とかそういうものを諦めた目。
だけど私への執着や束縛は変わらず続いている。
「陸、いい加減にしてよ…」
そう言うとはあと深く溜息を吐いて、その次の瞬間パシンッと強めの音が鳴る。
私が陸へ向けていた顔の方向は左へ向いている。
状況が理解出来たのは痛みが来てからだった。
私、叩かれた?
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