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家に帰って着替えなどを済ませていると陸が合鍵を使って入ってくる。
「奈緒ちゃん」
そう呼ぶ姿はあの日のような冷たいものではなくて、会えて嬉しいとでも言いたげな可愛さを持っている。
それでも裏の顔を知ってしまえばその柔らかさにも警戒をしてしまう。
「今日はどうしたの」
「会いたいだけが理由じゃダメ?」
そう言いながら抱き着いてくる陸の身体を静かに押す。
「話したい事山ほどある。」
そう言うと少し驚いた顔をするも、嬉しそうに笑って「うん」なんて返事をしてくる。
ソファーに座らせてどこから話そうか悩んでいた。
「香苗のSNS、見たんでしょ?それは、たまたま?」
「…うん、同級生から奈緒ちゃんの今がわかる投稿は流れてこなかったから、他で探したんだけど中々見つからなくて。そしたら共通の男友達関連で香苗さんの奈緒ちゃんとの投稿が流れてきて、それで見つけた。」
私が関わりを持つような友人はみんなアカウントをロックしているから、フォロワー以外に投稿を見せられないようになっている。
だからだ、私を見つけにくかったのは。
香苗は人と繋がりを多く持ちたいタイプなのでアカウントロックをしていない。
でもまさか見られてもこんな事になるなんて思わなかったし。
だから香苗に奈緒との写真も投稿していい?って言われてダメなんて言わなかった。
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