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「別れてから8年も経つのに、どうして私だったの」
「他の子と付き合ったりもしてみたけど、ダメだった。あんな勝手な振られ方したのに、奈緒ちゃんで頭いっぱいだった。」
陸の静かな声をただずっと聞いていた。
「ねぇ、教えてよ。俺の何がダメだった?そんなに奈緒ちゃんに負担かけてた?」
「違う、陸のせいじゃない。」
あの頃別れたのは本当に私の身勝手だった。
陸の事は好きだったし、このまま付き合って将来的に一緒になるのかもとかも考えたりしてたの。
それでも付き合ってるだけでも自分のやりたい事を我慢して、恋人との事考えなきゃいけないのに、結婚したら尚更とか思ったら私には誰かと一緒になるのは無理だと思った。
だからそれからも誰かと付き合うとか考えてなかったし、本当に1人でよかった。
「陸…、私今も昔も勝手だから、自分の事しか考えられない。陸の事も本気で好きだったし大事にしたかったけど、できないなと思った」
陸の傷付いた顔を見るとあの日別れたことは間違えてないと思う。
私が居るからそんな顔させてしまう。
戻ってこないで欲しかった、縋って来ないでほしかった。
「分かってるよ、奈緒ちゃんは俺が居ない方がいいって。だけど俺は、奈緒ちゃんが居ないとダメになっちゃう。」
切ない声でそう訴える陸。
違う、そんなこと言わせたかったんじゃない。
お願いだから入り込もうとしてこないで。
「お願い、もう捨てないで。どこにも行かないでそばにいてよ」
いつからそんなになるまで私は陸の気持ちを縛ってた…?
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