Episode2

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一緒に過ごしているうちに陸のことを意識し始めたのは、図書委員として関係が切れる3月始め。 「風早さんはさ、好きな男とかいるの?」 こんな踏み込んだ話をできるくらいには確かに仲良くなっていたけど。 好きな人にそんな事を聞かれれば意識してしまう。 「(何で私の好きな人なんて気になるの。)」 そう思いはしたけど、ここで正直に答えたら少しは自分かもなんて思ってくれる?なんて期待をした。 「…居るよ」 「…へー、そっか」 興味があるのがないのか分からない返事に困惑してしまう。 何で聞いてきたの? ただの興味? 「…栢山くんは?」 「俺もいる。」 何だ、好きな子居たんだ。 放課後は毎度私のために時間作ってくれるからもしかしたらと期待した。 呆気なく確定した失恋にやりきれなくなる。
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