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少女の家庭は4歳で物心ついた時には、もう2歳下の弟に母は、ベッタリだった。
父も仕事仕事で滅多に帰ってこない。
夜、寝る時、少女は壁際に追いやられた。
そして、父と母は、弟を囲んで寝た。
少女は、毎晩、怖い夢を見た。
母が死ぬ夢、殺される夢、たまに父の時もあった。
4歳の少女が怖くなって夜中に目を覚ますと、壁が目に入った。
少女は、反対側に居る母の方へ寝返りを打った。
母は弟の方を向いていたから、毎晩、背中を向けていた。
少女が小学生になるまで、それは毎晩、続いた。
幼稚園から帰る時、少女は毎日、憂鬱だった。
他の子達の親は皆、幼稚園バスの迎え場所まで来てくれていた。
でも少女の母親は、弟と昼寝して玄関に鍵とチェーンを掛けていたから、少女は、いつも1人で帰って、玄関の外に座っていた。
幼稚園側も迎えが来ないのに、少女を幼稚園に連れ戻す事はしなかった。
夏は、蚊に刺され、冬は霜焼けになり、それでも少女は1人、夜になるのを待ち続けた。
弟が少女の腕を噛んで、少女が泣いても、母は知らんふりだった。
少女は、次第に母は弟さえ居れば良いと思うようになっていった。
母は、イジメを見ても見ぬフリすること、自分は成績が良いから、イジメられなかった事を少女によく自慢気に話していた。
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