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漂ふ 優美な長い尾。
鮮やかな白の朱の華。
これは、まだ誰も知らない、
ある鯉の物語。
その昔、上へ上へと上りつめんとする、
1匹の鯉がいた。
龍を目指し、滝に打たれる小魚。
しかし、その心の内には、もう既に龍が宿っていた。
幾年、幾千年をかけて…
硬い鱗が剥がれても
打ちつける水を跳ね除けて
大きな水しぶきを上げて、
滝の頂上に辿り着く。
そこにはもう、かつての小魚はいない。
強く、固く、揺るぎない信念。
大きく、逞しく、気高く空を泳ぐ、
龍の誕生である。
ここは、龍の滝。
かの伝説の龍は、水神として、ここに眠るのだとか。
ーーー龍の滝の石碑より。
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