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「―――やばい、また寝坊した…!!」
朝、時計を見ると遅刻ギリギリの時間で。
私は大慌てで身支度を整え、朝ごはんも食べずに家を飛び出す。
昨日セットしたはずの目覚まし時計が鳴らなかったことを不思議に思いながら、私はひたすら駅まで走り続けた。
「はぁ…はぁ…、よかった、間に合った…」
頑張って走ったおかげで何とか電車が来る前に駅に辿り着くことが出来たので、ホッと胸を撫で下ろす。
「おはよう。今日も寝坊?」
頭上から声がしたので視線を其方に向ければ、近所に住む高校生の深見 燐が、呆れたような眼差しを私に向けていた。
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