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◇
「はるちゃん、どうしたの?」
私の家に夕飯を食べに来ていた燐ちゃんが、溜息を吐いて項垂れる私に不思議そうに首を傾げ声をかけてきた。
燐ちゃんが何故私の家で夕飯を共にしているのかと言うと、燐ちゃんのご両親は仕事が多忙故に家を留守にしがちで。
なので見兼ねた私たち親子が燐ちゃんを甲斐甲斐しくお世話してるというわけなのだ。
「別に…」
「食い意地の張ってるはるちゃんが幸子さんのご飯を残すなんて珍しいね。明日は雪でも降るのかな」
燐ちゃんはもぐもぐとお母さんお手製餃子を頬張りながら、腹の立つことを言ってきた。
「明日の天気予報は晴れだったけど!?」
「ツッコむところそこなんだ」
呆れたような瞳で見つめられ、私はふんっと鼻息を荒くする。
…ってダメダメ、私は年上なんだからこんな小さなことで怒らないようにしないと。
「でも確かに晴香がご飯残すなんて珍しいねぇ。何かあったの?」
もうご飯を食べ終わり洗い物をしているお母さんが、心配そうに私を見つめる。
私ってそんなにご飯残しそうにないのかな…。
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