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「ねぇはるちゃん、教えてよ」
じっと瞬きもせず見つめられ、困惑する。
作り物のように美しい顔立ちをしている少年に“貴方には関係ない”と突き放す行為は、神を冒涜しているような気持ちにさせられる為、私は観念して大きな溜息を吐いた。
「……職場の人だから燐ちゃんは分かんないよ」
「はるちゃんの職場に小山なんて人は居なかった筈だよね。俺に嘘吐いてるの?」
何で私の職場の人を把握してるのよ…、と言いたいところだけど、どんどん燐ちゃんの表情が暗くなっていってるような気がしたので思い留まる。
「…最近異動してきたから」
「……ふーん。女の人?」
勿論そうだよね、と言いたげな表情で私を凝視する燐ちゃんの瞳をまともに見れない。
別に男でも女でもどっちでもいいじゃん…。
何でそんなことを気にするんだろう。
「男の人だけど…」
「……へぇ。はるちゃんとその人、仲良いの?」
「いや、全く…」
寧ろ嫌いなんだけど。
「ふーん」
…何なの、この質問攻め。
聞いてきた割には興味無さそうにしてるし。
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