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【三上くんに振られました。1時間目は休むね】
唯一の親友へメッセージを送って、近くの椅子をひいて机に項垂れた。
私のこと、1年生の時からずっと好きだったって言ってたのに。付き合えて幸せ、大好きってたくさん言ってのに。
同級生、先輩、他校生、大学生。高校生になってから、いろんな人と付き合ってきた。
みんな、みんなそう。付き合う前は「好きだよ」「可愛いよ」と強引なくらいアプローチしてくるのに。その気持ちがいつの間にか逆転しちゃって。最終的には目の色を変えて私の前からいなくなる。
ひとえにメンヘラといってもいろいろなタイプがいるけれど、私のメンヘラは恋愛面においてのみ発動する。
好きな人には私のことだけを考えて、私のことだけを見て、私のことだけを愛してほしい。
自分が愛されているのか不安になってしまうから、相手の気持ちを試したり、強い束縛をして愛を確かめたくなる。
私の重い愛を受け入れてほしい。なおかつその愛以上の重くて痛くて苦しいくらい大きな大きな愛を与えてほしい。
そんな共依存のような恋愛に憧れているけれど、現実は……。高校2年生の5月現在――私を受け入れてくれる人とは未だに出会えていない。
【1件のメッセージを受信しました】
さっきの返信がきたのか、待ち受け画面が明るくなった。
私の待ち受け――三上くんに後ろから抱きしめられているプリクラが視界に入れば、失った愛を思い出して涙が溢れてくる。
この空間にいるのは私だけだから、周りを気にせず泣き声を上げた。
「……っうぅ、ふっ、っぅ」
メンヘラ女は、この性格を変えない限り幸せにはなれないのでしょうか…。
「うぅっっ、えぇぇぇん」
「ねぇ、いい加減にしてくんない?ビービービービーうるさいんだけど」
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