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面接①
私がドアを開け、面接を始めた。
一人目は明るく純粋な子で、いろんな人を助けたいと言った。
つまりは私とは正反対。
私が復讐をしようとすれば、当然止めようとしてくる。
そのため、一人目は不合格。
それからも二人、三人と脱落者は続いた。
探偵なんて、結局は善人の集まり。考えることも、言葉にすることもほとんど同じだった。
ただ、四人目の就職希望者は少し違った。
彼が部屋に入ってすぐ、私と目が合った。第一印象こそ、明るい好青年だったが、その目には、私と同じようなものを感じた。
そして面接は始まった。
最初は、今までと同じように意味の無い質問を続けた。
そして最後に一つ、今までとは違う質問をした。
「あなたは復讐に対して、どうお考えでしょうか。」
この質問に彼は少し考えた後、決心を決めた目で口を開いた。
「私の意見は、復讐自体は悪いことではないと思います。
もちろん、犯罪に手を染めれば国の法律によって裁かれますし、良い選択とは言えないでしょう。
ただ、復讐をするということは、自分の大切に手を出されたということだと思うんです。
もしそうなのなら、私は正当防衛と何ら変わらないと思うのです。
犯罪が許されるわけではありませんが、復讐自体は悪いことではないと思っています。」
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