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「どのタイミングで言うんですか? 社長室に入ってきた時に『平さん、私も居ますよ』って手を振れとでも? 最強のかまってちゃん現る、じゃないですかそんなの」
持田のもっともな言葉に、平はぐうの音も出ない。
「それにしても、お二人って本当にご親戚とかじゃないんですか?」
持田が何度目かになる同じ質問を宮辺にぶつけた。無理やり新しい指導課なる部署を作り、新入社員研修が終わったばかりの平が課長職に置かれたのは、数ある宮辺物産の謎の中でもトップクラスだ。社員の間では、親戚説、愛人説、それに隠し子説などというのも上がっている。
「社長、今更ですけど、私にも理由を教えて頂けませんかね?」
平も持田に便乗して社長に詰め寄った。
平が入社して十年。四月から三か月間の新入社員研修の時以外は、他の総務部従業員と同じ業務をこなしている。つまり、わざわざひとつの「課」として独立させる程の業務はないのだ。
宮辺はこれまでその答えを濁していて、この日もやはり二人に答えを与えなかった。
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