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持田の言葉に宮辺は、まるでダムに沈みゆく故郷を眺めているかのような哀しい表情をした。
「ハラスメント? ふんっ、嫌がらせなものか。ただの悪ふざけだよ。酔った勢いのね」
持田もまた、冷蔵庫に入れてあったプリンを家族に食べられてしまったかのような哀しい表情で、窓の外を流れる景色を見ていた。
「えーっくしゅっ! ぶぇーっくしゅ! やだ、もしかしてブタクサ?」
その頃、おにぎりふたつを袋に下げてコンビニから出てきた平は、季節外れの花粉症に怯えていた。
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