第3話 もふもふスープで決起集会

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「分かりました。おい、皆の衆聞いたか? 平課長からアレについて説明がある。お白州に集まれ」  営業部のデスクも、総務部と同様にコの字に並べられてある。ただし、真ん中のスペースに長机はなく、何もない空間になっている。曽我の呼びかけで、その真ん中のスペースに人が集まったところを見ると、どうやらそこを営業部では「お白州」と名付けているらしい。今度総務部の長机にも名前を付けようと心に決めながら、平は口を開いた。 「来週の火曜日、オペレーション・ボッチを発動します」  その第一声を聞いても、平より後に入社してきた者は首を傾げている。その中で、曽我が「あっ」と声を上げた。 「アレはソレのことでしたか」  そう呟いた曽我に平は頷いた。 「若い方々は初めて聞くでしょうが、オペレーション・ボッチとは、一人に仕事を丸投げして、他の皆は年休を取って休んじゃいますよ、って作戦です。この作戦を成功させるには皆さんの協力が必要です」  平はそこで一旦言葉を切り、話を聞くメンバーの顔を見渡した。とんでもない内容の話に、全員が真剣な表情で平に注目している。
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