第3話 もふもふスープで決起集会

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 そう言った平もまた、自分の発言に項垂れた。何でも面白さを優先するのは、宮辺物産に相当毒されているような気がしたのだ。それはもう、真鍋にも分かるくらい表情に出して。だが、真鍋はその平を見ていないふりをして、店員を呼んだ。 「コレ、お願いします。ウサギのシチュー。平課長、ひとつでいいですよね?」  平は無言で頷いた後に天井を見上げた。見上げた先にあった、ジョージアのエルサレム十字をあしらった国旗に目が止まる。 「またいるかよはねまるこ」  ポツリと呟いた平に、真鍋が首を傾げた。 「何ですか? またイルカよ羽根まる子って」 「福音書」 「福音書? ああ、マタイ、ルカ、ヨハネ、マルコですか」 「何だと思ったの?」 「いや、どこにイルカとか、まるちゃんがいるのかと」  そう言った真鍋に向けられた平の顔は、何を考えているのか分からない、いや、魂が抜かれたように無表情だった。 「分かった。分かっちゃった」 「何が分かったんです?」 「研修後、すぐに私が課長になった理由。くっそピカイチめ」  どういう思考の巡りで平が気付いたのかは分からないが、ようやく理由に辿り着いた平を、真鍋は同情の目で見つめた。
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