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────…とは言え。
今回はそこまで警備体制を敷くほどの大行事でもなく、単なる
あたしの誕生日を祝ってくださる方々が、
"あくまでも"、
自由列席可という形として。
通達の文を送らせていただいたほどだから、こちらとしても、
さしたる支障もない。と示すべく首を
もう一度、
左右にふり謝意は結構だ。と美希さんに
促して。
それを受け取った彼女も、いちどだけ再び低頭しなおすとその視線は、────つぎに、傍らに控えていた"彼女"に、移された。
鮮やかな、躑躅色と毛先は、ハイトーンでグラデーションされた、さらさらの長髪。
きれいに揃えられた前髪で、すこし、眉は隠れ気味だけれども、
それにしてもどことなく、既視感を覚える雰囲気をもつ女性。
透き通るように白く、丸い頬にはほんのり淡いピンクのチークが乗せられ。
ちいさな唇には大人系色味のマットリップが、ふっくら質感を際立たせている。
目尻からピンクの跳ね上げラインが引かれ、目元を吊り上げて見せる効果を発揮しているものの、もともとの彼女の目はもっと柔らかく、丸みを帯びたものではないのか?と勘繰るほど。
美希さんよりは小柄で低身長。
黒のタイトロングドレスが、細身の彼女にはとても似合っていて。
・・・・・・なのに。
いつまでもその面差しは、・・・・・暗い。
「………、そちらの方は、はじめまして。のようね」

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