3、おうちキャンプと手作りプリン

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 プリンと風船ランタンを作っている間に、時間は午後四時を過ぎていた。プリンを冷やすためにキッチンに立っていた俺は、そのままバーベキューの材料を切る作業に移った。 「あ、待って!私も手伝う!」  ピーマンや玉ねぎをまな板の上に並べていると、一華が大きく手を振って、キッチンに駆け込んできた。  まな板はもう一つあったため、一華用を準備し、その上に玉ねぎを置いた。 「それじゃ、玉ねぎを輪切りでよろしく。一応聞くけど、輪切りは分かるよな?あと、包丁を持っていない手はどうするのかも」 「もちろん。輪切りは丸でしょ?あと添える左手は、猫の手」  指を折り、猫の手にして言った。そして“にゃー”と鳴き真似までしてくれた。一華猫はあまりにも破壊力があり、俺はシンクに手をついて項垂れた。俺は気持ちを切り替えるために、大きく深呼吸をした。 「うん、わざわざ猫真似までどうも。……よし。時間があまりないから、どんどん材料を切っていこうか」  その後は黙々と切っていき、お皿の上には色んな野菜が並んだ。 「さてと。バーベキューの食材は切ったけど、何か作ってほしい料理とかある?ホットプレート限定で作れるものだけど」  限定だが、ホットプレートの方が蒸したり焼いたり出来るため、バリエーションは増えたと言ってもいい。  俺の質問に、一華は少し考えたあと『一つだけあるんだけど』と前置きして言った。 「焼きおにぎりって出来る?今日のお昼を思い出しちゃって」 「うん、出来るよ。ご飯も余ってるし、焼きおにぎりも作ろうか」  そう言うと、一華は手を叩いて喜んだ。 「やったー!焼きおにぎりとバーベキュー。あとデザートにプリンもあるなんて……。キャンプ最高!」 「食べ物ばっかりだな」  うっとりした表情の一華に、そうツッコミをいれた。 「だって全部楽しみだし、絶対美味しいじゃん!……せっかくだし、今からおうちキャンプ始めない?」 「そうだな。プラネタリウムもあるし、準備するか」  だが俺たちはどちらも動かず、顔を見合わせた。二人ともキャンプ未経験者のため、何からしていいのか分からなかったのだ。
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