3、おうちキャンプと手作りプリン

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 とりあえず、物置部屋から見つかったテントを広げるために、ソファやテーブルを端に寄せる。その後、テントを組み立てることに苦戦しながら何とか完成させた。 「おー。テントがあるだけで、キャンプ感が出るね」  二人並んでテントを見ていると、一華は満足気に頷いてそう言った。そしてスマホを取り出して調べ始めた。 「あとは、テントの中に何を置くのか、だよね……。寝袋か。それはないから、布団敷く?」 「あー、うん」  バーベキューやプラネタリウムなどで浮かれて忘れていたが、テントがあるということは、一緒に寝ることになる。別々の部屋で眠るなんてことはないだろう。 「私、布団持って来よーっと。咲也も持って来て。一緒に寝よう」 「……うん、そうだね。持って来るよ」  こうなったら色々考えず、一華のノリに合わせていこうと決めた。  自分の部屋から布団一式、テントまで持ち運ぶ。そしてテントの中を見ると、一華は一生懸命布団を敷いていた。そして俺が見ていることに気づくと、入ってくるように手招きした。 「咲也の分、空けてるけど、狭かったら言って。もう少し端に寄せられるから」 「ちょっとぐらい重なってもいいんじゃないか?……もしかして一華、寝相悪いのか?蹴るなよ」 「そこは大丈夫ですー。咲也こそ蹴らないでよ!」  そんな言い合いをしながら、俺たちは布団を敷いていく。それが終わると、一華は布団の上に寝そべった。 「家の中なのにテントで寝るって変な感じ。でも非日常で面白いかも」  俺は一華に倣って寝そべってみた。天井はテントの布しか見えないが、それはそれで非日常を味わえる。  一華はゴロンと寝返りを打って、俺の方を向いた。 「……なんか、このまま眠れそう。寝ていい?」 「え?駄目だって。俺、プラネタリウム楽しみにしてるんだから。このまま寝て朝になってたら、伊織くんみたいにブチギレるぞ」 「あはは。それは困る」  そのあとも寝そべったまま、もし外でキャンプをしたら何をするかなど、妄想を膨らませて話をした。そうしているうちに、時間は午後六時になっていた。
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