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21歳、華の女子大生。友人たちが恋愛を楽しんでいる中、私だけが真っ暗闇を彷徨い続けている。抜け出したくても出口さえ見つからない、永久に抜け出すことのできない闇。
なーんて、感傷的な気分に浸ってみる。
悲劇のヒロインぶったところで、成とのこの関係を断ち切れないのも、本心を伝えられないのも、全部自分で選んだことに変わりない。全部、自業自得なんだ。
「愛結、この後の予定は?」
私が闇落ちギリギリで耐えていることなんて知る由もない成が、欠伸交じりに口を開いた。
数少ない女友達と家族、それと公式アカウントからのメッセージのみで埋め尽くされたトークラインを開く。
「夜に友達と会う約束してるから、ちょっと昼寝したら出ようかな」と告げると、スマホを見ていた成の視線が私へと移った。
「男?」
「そう」
「散々ヤったのに凄いね、お前の体力は」
「女は男と違ってヤろうと思えば1日に何度でもできるからね」
「やっぱくそビッチ」
「はいはい、なんとでも言ってくださーい」
"私には成だけだよ"
この言葉を吞み込み続けて3年。ビッチと偽り続けて3年。口からは躊躇いもなく、スラスラと嘘の言葉が吐き出される。
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