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驚いて時計を見るとまだ18時半。
ユナちゃんと顔を見合わせていると、件の保護者、一誠さんが部屋へ入ってきた。
「菜乃花さん、ただいま。…あれ?友達?」
会釈した一誠さんを驚いて見つめるユナちゃんは固まったきり動かない。
「一誠さんお帰りなさい。早いですね、今日」
「あ、いや。泊まりになりそうなので、荷物取りに来たんです。ついでにご飯あればと思って」
「すぐ用意しますね」
「ありがとう」と一誠さんが部屋へ行くなり「何あのイケメン!!!!!」とユナちゃんが私に詰め寄った。
「わ、私の保護者で…」
「あんなイケメンが保護者とか有り得ないでしょ!」
随分興奮気味だ。
「妻または彼女!」
「え?…いないです…多分」
「職業!」
「べ、弁護士です」
「最高!!何個上!?」
なんだかハンターのような目をしている。
「12個…かな?」
「って事は…29歳‥うん。ギリ20代。あり。紹介して」
「あ、30歳です。私が今18なので」
「えっ!?」
驚きを重ねた彼女は「あんた年上…なんですか?」と突然敬語になった。
「はい」
「何で?」
「なんで、と言われても」
小首を傾げ視線を逸らせば「あ!もしかしてそんな真面目な見た目で留年したの!?」と笑い出したので、否定せず曖昧に微笑んだ。
私は青くんよりも一つ年上。
それを知ったのは、彼と離れてかなり時間が経ってからの事。
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