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「なんや?」
彼だ。
絶対、亮平だ。
頭の中で反芻した。
自分に言い聞かせるように、何度も何度も。
あり得るわけない。
彼な…わけが…
「…誰?」
「は?」
亮平だけど、亮平じゃない。
そんなバカなことがあるわけない。
だって、あんたは今ベットにいて、これから手術があるって…
「わざわざ来てやったっちゅーのに、なんやその言い草は」
…えっと
冗談抜きでやばい
何がやばいって、「全部」が。
夢にしては意識がはっきりしてた。
不思議と、そうじゃないって思えた。
…けど、だとしたら尚更おかしい。
…幻覚でも見てる?
変なものでも食べたっけ…?
…いやいやいや
「ってか、なんやその格好は」
…格好?
見ると、パーカーを羽織っている自分がいた。
それと、ダボダボのスエット。
嘘…でしょ…?
…いつのまに?
さっきまで自分が着ていた服。
パーカーなんて着てなかった。
スエットもだ。
まだ暑さが残ってる時期だってのに、なんでこんな厚手を…?
…いや、問題はそこじゃなくて!
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