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たのむから何もめざさない生き方をゆるしてくれ
全国の書店関係者は仕事着をつかみ、上手くいかないビジネスの現実を知りつつストレスで目もとがひきつっていた。
「行動すればなんとかなる」
「強く生きろ」
「置かれた場所でさきなさい」
または優しい口調ではあるもののあやしい神や仏の言葉を引用したらしい意味不明な話。
あえてとなりに怪談やホラー関係の書籍をおいたらそちらがかなり売れた。
もちろんそんな付け焼き刃はもう通じることはないかもしれない。
自己啓発本を子供たちや中学生が物価高騰のなかで疲れた顔で買っているのを見ると、ライトノベルで育った正社員やフリーターの人達がふくざつそうな顔でレジを受け付ける。
みんな幸せになりたいようだ。
ビジネス本やセミナーは読んだり参加して話を聞くだけではその後なにも身についてない当たり前の現象をつきつけられるだけの構造になっている。
あるSNSでもなげ銭機能が設置されているものがあって、そこでもインターネットの悪い影響を受けたダメな大人たちが小銭を稼いでいるのだ。
書籍は衰退したのではなくありもしない能力主義と限られた権威者によって作られた「幸せハラスメント」の影響と資本主義の崩壊でつぶれ続けている。
消滅可能性都市として自分たちの実家がこの先のこることもなくなっていく。
だから私たちは馬鹿なことだと思いつつもほんらい存在しなかったモノを利用して静かにデモを続けた。
「あたたかい図書の復活を!」
「書店や司書たちへの時給をあげよ!」
「紙の本も電子書籍も素晴らしいからこそ存続させよ!」
それなのに表立ったデモはしていない。
書店関係のつてを利用して街の権力者たちに圧力をかけつづけているだけだ。
悪く思われてもかまわない。
本が好きで私たちも生活がかかっている。
あとはこの不景気を生かされている2020年代の人々は分かってくれると信じてる!!
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