エピローグ3

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エピローグ3

 つめ族たちは今日もワープホールで世界各地をめぐっている。  今どき異人種も全ての世界のルールなどしっかり学んでいる。  余計な暴力なんて使わないし、最低限生きるための戦いだけおこなっている。  いまや夢がない世界は人間の知らない世界にあふれている。  内心ではあらそいたくないのかもしれない。  みんな破滅願望をかかえかけているから。  しあわせは歩いてこない  だから歩いてゆくんだね  と歌われたこともあった。  これも幸せハラスメントなのだろうか。  いい曲なのに断言できないことを明るく言われるのに疲れすぎたのかもしれない。  うたがいはついてまわる。  今回は幸せをおしつけてくるなら幸せハラスメントだった。  それにちかい何かが見つかればまたハラスメントだとわめきちらすかもしれない。  いったい我々は何を目指しているんだ? それも青春なのか?  謎はつぎつぎと現れては浮かんで消えていく。  ほらね。  つめ族と呼ばれた異人種もこんなになやんでいるのだ。  武力はときに足枷となる。  動くための武器なのに動けなくなる。  人間は考えたことがあるか?  そんな理不尽を。  どうして足跡を残すだけでこんなにも痛いの?  これから先、ワープし続けたら自分たちはもっと生きやすい世界で侵略でもするのだろうか。  怖い方がいい。  おそれている方がいい。  そんな幸せもある残酷な現実があるからナイフのようにツメを研ぐことが出来る。  みなも一度考えよう。  何が押し付けられているかを。
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