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反撃のつめ
まさか人間にあそこまで強い戦闘力がある人間がいるとは。
自分たちの存在がいつの間にか知れ渡っていた。
それでも全ての人間に知られているわけではなく、どうやら強者と呼ばれる人間になるべく我々がむかっているからか邪魔されることもすくなかった。
ワープ能力があるとはいえ我々にとってこの世界は不利すぎる。
元の世界に戻ればいいが、人間が支配する世界で狩りを楽しむために探りにきただけだったのに自分たちのツメまで解析されつつあることを人間がもつ機会から知る。
それでも自分たちはワープした世界の人間に変身できるからか計画に支障はない。
「コノニンゲンニオソラクミツカッタ」
仲間へと連絡する時に自分たちを見た人間を確認した。
ワープした先の洞窟にいた人間。
場なれしているのか逃げ足もはやく、古くなって落ちたツメがもっていかれた。
だが自分たちは人間とはちがって悪意はない。
ワープした世界で様々な生き物が作ってきたルールや法律などをいつもかいくくりながら戦い続けている。
人間世界でもそれをただ実行すればいいだけなのだ。
強い人間の前へワープしたのはねらった人間へ変身するためにある程度の力が必要だったからだ。
殺してはいなかったからか、あっという間に広まった。
いくら戦闘民族とはいえワープした世界のルールはちゃんと守るのだ。
それと同時にこの世界の人間は『幸せ』にいちいちとらわれているらしい。
不公平で不平等、格差が広がるらしいこの世界で古い幸せにしがみつくことの哀れさに少しだけこの世界の人間へ同情する。
この世界の人間が我々を文献に残し、ナイフとたとえたツメをとぎながら前回はなるべく強くない人間をねらって変装した計画を改めていた。
あの少年があれほど戦う力にすぐれていたとは!
かといってひるむわけにはいかない。
あの少年のデータを手に入れ、戦力にしなければ。
さらにツメをとぎ、反撃をちかう。
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