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だが、中学に入って「先輩」という厄介な存在に囲まれるようになって、私はどんどん孤立していった。
「発達に問題はありませんから、適応障害、不安障害でしょうね」
学校へ行けなくなった私を、無理やり母が病院へ連れて行き、無理やりお医者様が病名を付けた。
母は「我が子がそんな病気になって情けない」と思っていたようだが、私は逆に、学校へ行けないのは病気だからなのだ、と妙に納得した。
そして、病気を受け入れた私は、別の病気にもかかりやすくなっていた。免疫力が低下して、すぐに熱を出しては、さらに母親を困らせた。
私の家に住む者は、本当に古風だ。私を除いて。
「お嬢様、今日はお体の具合はよろしいのですか?」
縁側から庭をぼうっと眺める私にそう言って聞いてきたのは、春からこの家に下宿している高校生だ。
遠い親戚にあたるらしいが、遠すぎて聞いた説明で覚えているのは「曾祖父の弟の」という出だしだけ。
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