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「今コーヒー持ってくから、適当にその辺座ってて」
「うん、ありがとう」
改めて部屋を見渡すと、唯くんらしさが随所に現れている。
黒と白を基調にしたインテリアのまずバランスが良いし、所々の青と黄色の差し色が絶妙だ。
黒の革張りソファも、きっと普通の既製品ではなさそう…ローテーブルも味のある木製だし。
「そんなジロジロ見られると緊張すんだけど」
笑いながらそう言って差し出された珈琲カップも、黒一色の市松模様が素敵な、、「え、これもしかして」
「有田焼だよ。見てわかんの?さすがきぃ」
「いやいや、さすがに何焼きかまではわからなかったよ」
最近、パッと見焼き物とわからないこういうオシャレなのあるんだよね。
こ、これも高そう……!
とりあえず冷ますために、しばらくテーブルに置かせてもらう。
ソファに並んで座り、左隣で先に珈琲を啜っている唯くんから漂うその芳醇な香りを先に楽しませてもらって。
「きぃ、これは平気?」
ん、これ?
何のことかと思った途端に唇が塞がれた。
「っ、ン、」
容易く絡められた舌からは、香り高い珈琲の味。
飲んだばかりだから、唯くんの舌も口の中も熱かった。
ああ、、平気ってそういうことか。
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